国内公表(買取価格1gあたり)
金 23,062円 (+658)
プラチナ 9,078円 (+232)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,304.60ドル (+103.00)
NYプラチナ ドル 1,755.10ドル (+67.20)

10/16、ニューヨーク市場の金は5日続伸で初の4,300ドル台。始値4,225.10ドル、高値4,346.70ドル、安値4,214.50ドル、終値4,304.60ドル、前日比+103.00(+2.45%)。10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月の+23.2から-12.8へと急低下し、市場予想(+8.5前後)を大幅に下回った。指数が再びマイナス圏に転じたことで、同地域の製造業活動が縮小局面に入ったことを示唆した。構成項目では、新規受注指数が12.4から18.2へ上昇し、需要面では底堅さがみられた一方、出荷指数は26.1から6.0へ急落し、生産や出荷の動きが鈍化していることが明らかとなった。雇用指数も低下しており、企業が採用を控える姿勢を強めているとみられる。また、投入価格は49.2、販売価格は26.8へ上昇し、コスト上昇圧力の再燃が確認された。これにより、需要が減速する一方でインフレ圧力が残存する「スタグフレーション的」傾向への懸念が広がっている。今回の結果は、地域製造業の景況感が短期間で大きく悪化していることを浮き彫りにし、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影響を及ぼす可能性がある。特に生産活動の停滞は景気下振れリスクを高める要因となり、年内の利下げ観測を一段と強める材料とみられる。一方で、新規受注の回復傾向は今後の改善余地を残しており、企業が在庫調整を終え次第、製造業活動が再び持ち直す可能性もあるとの見方も出ている。FRBのウォラー理事は16日、ブルームバーグテレビのインタビューで、労働市場の軟化が進んでいるとの認識を示し、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを支持する考えを明確にした。理事は「雇用市場は良くない。複数のデータが労働の弱さを示している」と述べ、景気下支えのための緩和が適切との判断を示した。一方で、「利下げは段階的かつ慎重に進めるべきだ」と強調し、0.25ポイント刻みでの調整を提案。急激な政策変更がインフレ再燃を招くリスクにも言及した。また、成長が底堅い一方で雇用が減速しており、「この矛盾は長く続かない。どちらかが変化するだろう」と分析した。インフレについては、関税の影響を除けばおおむね2.5%前後と評価し、上昇圧力は限定的とみている。市場では同発言を受け、10月会合での0.25%利下げ観測が強まった。発言は過度な緩和を避けつつ、雇用悪化リスクに対応する「中道的な姿勢」として評価されているが、一部には「インフレ抑制が不十分になる恐れがある」との慎重論も残る。米地銀ザイオンズ・バンコーポレーションとウエスタン・アライアンス・バンコープは、融資を巡る不正行為の疑いでそれぞれ訴訟を起こした。報道によると、両行が貸し付けた商業不動産関連ローンで、借り手が担保の優先順位や資産内容を虚偽申告し、実際には十分な担保を提供していなかった可能性が指摘されている。ザイオンズは約50百万ドルの貸倒損失を計上し、投資家による証券訴訟の動きも浮上。一方、ウエスタン・アライアンスは約1億ドル規模の債権回収を求めて提訴しており、担保価値や保証契約の有効性が争点となる見通し。両行の事案は、米地銀の信用リスク管理体制の脆弱性を改めて浮き彫りにし、地域銀行株全体の下押し要因となっている。ニューヨーク・債券市場では米国債が買われ米長期金利が3.95%台まで低下し、利息や配当を生まない資産である金の強みとなった。外国為替市場でユーロは対ドルで上昇。米地銀を巡る信用不安を背景にドル売り優勢となり、ドル建てで売買される金は割安感が高まった。本日の海外金相場は、米中対立の再燃や地政学リスクの高まりを背景に、安全資産としての金への需要が一段と強まった。FRBによる利下げ観測も根強く、金利低下が予想される中で金利を生まない金が相対的に優位となっている。また、米ドルがやや弱含んでいることも価格を押し上げる要因となり、投資家の買い戻しが加速。金価格は史上最高値圏で推移している。