国内公表(買取価格1gあたり)
金 22,297円 (+264)
プラチナ 8,371円 (-19)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,066.50ドル (-8.00)
NYプラチナ ドル 1,555.20ドル (-0.50)

11/18、ニューヨーク市場の金は小幅安で4日続落。始値4,045.60ドル、高値4,083.70ドル、安値3,997.40ドル、終値4,066.50ドル、前日比-8.00(-0.20%)。米人材サービス大手ADPリサーチ・インスティテュートが公表した週次データによると、4週間移動平均で見た米民間雇用者数は、11月1日までの期間に平均して週あたり約マイナス2,500人となった。この数字は先週までの約マイナス11,250人から大幅に改善したものの、依然として雇用増ではなく減少が続いている点が注目される。このデータは、民間部門に特化し週次で更新されるハイフリークエンシー指標で、政府統計に先立つ「先行シグナル」としても見られている。そのため、雇用市場の「勢いが失われつつある」という懸念材料ともなっており、金融市場では早期利下げの可能性など政策への影響も指摘されている。ただし、週次・民間限定という性格上、月次の公式統計と単純に比較できるものではなく、あくまでも「雇用減少ペースが緩やかになってきたが回復に転じたわけではない」という補助的な解釈が適切とされる。今回の数字は、労働市場の良好とは言えないが、急激な崩壊も示していない中間的な局面を映していると見られる。米商務省が18日に発表した8月の米製造業新規受注は、前月比+1.4%となり、7月の-1.3%から反発した。海外報道は「想定通りの持ち直し」と評価する一方で、回復の力強さには慎重姿勢が目立った。受注の年間伸び率は+3.3%を確保したものの、設備投資の先行指標とされる「非防衛資本財(航空機除く)」は+0.4%にとどまり、企業の投資姿勢には力強さを欠くとの指摘が示された。また、出荷は-0.4%と弱含み、需要回復が生産活動へ直結していないとの見方も浮上。米製造業は全経済の約10.2%を占めるが、ISM製造業指数が依然として50を下回る状況が続いており、景況感の改善にはなお時間がかかるとの観測が広がっている。本日のニューヨーク金相場は小幅に下落し、終値は1オンス=4,074.50ドルとなった。前日比では0.20%のマイナスで、引き続きドル高や米長期金利の上昇圧力が金価格の重しとなった形だ。一方、地政学的リスクの高まりや12月の米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が市場に一部残っていることから、安全資産としての需要が一定程度支えられている。今後は米雇用統計などの重要指標の発表を控えており、市場は材料待ちの状況が続く見込みだ。短期的には4,000ドル前後の攻防が焦点となり、長期的には地政学リスクやインフレ懸念が金価格を下支えすると見られている。