金は3日続伸で最高値更新。米CB消費者信頼感指数5カ月連続低下、景気減速懸念強まる。

国内公表(買取価格1gあたり)
金 24,823円 (+154)
プラチナ 12,927円 (+1,122)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,505.70ドル (+36.30)
NYプラチナ ドル 2,311.30ドル (+187.90)

12/23、ニューヨーク市場の金は3日続伸で最高値更新。始値4,481.80ドル、高値4,530.80ドル、安値4,457.70ドル、終値4,505.70ドル、前日比+36.30(+0.81%)。【米実質GDP速報値】米国商務省が23日発表した2025年第3四半期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、年率換算で前期比4.3%増と、市場予想の約3.2~3.3%を大きく上回った。これは前期の3.8%から加速し、ここ2年間で最も強い成長率となった。堅調な個人消費支出が全体の成長を牽引し、輸出の回復や政府支出の増加も寄与したと分析されている。海外メディアはこの結果を、消費主導の底堅い経済実態の表れとして評価する一方、持続性への疑問も指摘している。インフレ圧力は依然として高く、コアPCE指数が米連邦準備制度(FRB)の目標を上回る水準にあり、利下げ観測を後退させる可能性があるとの見方が強い。さらに、雇用統計など他の経済指標に弱さが見えることから、成長が次期四半期に鈍化するとの慎重論も根強い。また、政府機関の一部閉鎖によるGDP統計の発表遅延は、景気判断のタイミングを複雑化させているとの指摘もある。市場では今回の速報値を受け、米長期金利の上昇やドル高の動きが見られる一方、企業業績や消費者信頼感の弱さを背景に「一過性の好結果」との警戒感も広がっている。総じて、海外報道は今回の4.3%成長を評価しつつも、インフレ・政策・労働市場などの複合要因が今後の景気見通しを左右するとの見解を示している。【米CB消費者信頼感指数】米国の民間調査機関コンファレンス・ボードが23日発表した12月の消費者信頼感指数は 89.1 となり、前月の92.9から大幅に低下し、市場予想(約91前後)を下回った。これは5カ月連続の低下であり、年末消費マインドの冷え込みを示した。主要構成要素のうち現況指数は9.5ポイント急落し、企業・労働市場の現状に対するネガティブ評価が強まった一方、将来期待指数は70.7と前月並みながら、依然として70台前半で景気後退が懸念される水準が続いている。報道各社は、インフレや高騰する生活費、貿易政策(関税)に対する消費者の懸念が根強い点を強調。特に労働市場に対する見方が弱まり、「仕事が十分にある」と答えた割合が減少し、「手に入りにくい」と答えた割合が増えたことが景況感悪化の要因として挙げられている。また、消費者信頼感の落ち込みは、米GDPが第3四半期に力強い伸びを見せたことと対照的な結果となっており、市場では個人消費の先行きに慎重な見方が広がっている。金融市場ではドル売りが再開するなど為替や株式に影響が出たとの分析もある。全体として、米消費者の心理は年末にかけて弱まりつつあり、物価高、雇用不安、政策リスクが重荷となっていることが海外メディアで指摘されている。 【ニューヨーク金先物相場】ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は23日、1トロイオンス=4,505.7ドルと3営業日続伸し、清算値ベースで連日過去最高値を更新して取引を終えた。前日比36.3ドル高(+0.8%前後)と上昇ピッチはなお速く、市場では「押し目待ちの買いが価格を押し上げる展開が続いている」との見方が多い。報道各社は、地政学リスクの高まりやドル軟化を背景にした安全資産需要に加え、金相場の先高観が根強く、短期的な金利上昇局面でも下押しが限定的だった点を強調している。米第3四半期GDP速報値が予想を上回り、一時は早期利下げ観測が後退したものの、その後に公表された消費者心理の弱さなどが意識され、景気減速懸念とインフレヘッジ需要の双方が金買いを支えたと総括されている。一方で、急速な最高値更新に対しては過熱感を指摘する声もあり、テクニカルな調整局面への警戒感も報じられている。

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