金は3日続伸。弱い米小売関連指標を受けて利下げ期待高まる。

国内公表(買取価格1gあたり)
金 22,744円 (-105)
プラチナ 8,447円 (-74)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,177.30ドル (+46.50)
NYプラチナ ドル 1,566.00ドル (+13.40)

11/25、ニューヨーク市場の金は3日続伸。始値4,170.30ドル、高値4,194.00ドル、安値4,143.20ドル、終値4,177.30ドル、前日比+46.50(+1.13%)。【米9月小売売上高】9月の米国小売売上高は、前月比+0.2%と小幅な増加にとどまり、市場予想の+0.4%前後を下回った。8月が+0.6%と堅調だった反動もあり、消費の勢いが鈍化したとの見方が広がっている。とくに、自動車やガソリン、建材、飲食サービスを除いた「コア小売売上高」は前月比▲0.1%と減少し、需要の裾野がやや縮んだことが浮き彫りとなった。一方、前年比では+4%台の伸びを維持しており、米経済の基盤を支える個人消費が急速に弱っているとの判断は早いとの指摘もある。報道各社は、物価上昇と高金利環境が低・中所得層の消費を圧迫する一方、富裕層の支出が全体を下支えしている構図を指摘。また、史上最長となった43日間の政府閉鎖でデータ公表が遅れたことから、今回の統計が実勢を必ずしも正確に反映していない可能性にも言及した。市場では、10~11月の消費がより重要な判断材料になるとの見方が強まっている。【米9月PPI】9月の米生産者物価指数(PPI)は前月比+0.3%となり、8月の▲0.1%から反転上昇した。海外報道によれば、上昇幅は市場予想通りで「サプライズなし」との見方が大勢を占める。前年同月比は+2.7%で横ばいが続き、インフレの加速も沈静化も示さない、やや中立的な内容となった。指数を押し上げた主因はエネルギー価格で、財価格は+0.9%と強含み、特にガソリンが+11.8%と大きく跳ね上がった。一方でサービス価格は0.0%と伸びが止まり、インフレ圧力は部分的に和らいだ格好だ。食品・エネルギーなどを除くコアPPIは+0.1%と予想を下回り、基調的な物価動向は鈍化したとの報道も多い。もっとも、前年比ではコア指数が+2.9%と依然高めで、FRBが即座に政策判断を変える材料には乏しいとの指摘が目立つ。海外メディアは、9月PPIは「エネルギー要因による一時的な上振れ」であり、全体としてはインフレ沈静化の流れが続くか慎重な見極めが必要だと報じている。【米11月消費者信頼感指数】米民間調査会社コンファレンス・ボードより発表された11月の消費者信頼感指数(CCI)は「88.7」と、大幅に低下した。前月の改定値95.5から6.8ポイントの下落で、今年4月以来の低水準となった。 報告によれば、現在の雇用や収入に対する不安が広がっており、今後の経済見通しも暗く見られている。特に「企業・雇用状況」「家計収入」「労働市場見通し」を評価する『Expectations Index』が63.2と大きく落ち込んだ点が注目されている。 こうした足元の消費者の冷え込みは、物価高や最近の長期にわたる連邦政府の「閉鎖」の影響、そして雇用の先行きへの不透明感が背景とされる。 経済の消費主導モデルが強い米国では、こうした信頼感の後退は、年末にかけての個人消費の減速、ひいてはGDPの伸び鈍化につながる可能性がある。市場では、同時に発表された物価や小売りデータの弱さもあって、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の利下げに向かうのでは、との観測も浮上している。 ただし、CCIはあくまで「消費者の心理・期待」に関する指標であり、実際の消費や景気を即断するものではないとの慎重な見方も根強い。今後は、消費支出や雇用、小売りの実績データとあわせて総合的に動向を見る必要がある。【ニューヨーク金相場】NY金先物相場は25日、米利下げ観測の高まりと米長期金利低下を背景に買いが優勢となり、中心限月は前日比続伸して終値が1トロイオンス=4,177.3ドルと高値圏を維持しました。米小売関連指標の弱さなどを受けた「景気減速+利下げ接近」の思惑が安全資産需要とインフレヘッジ需要を同時に押し上げた形で、ドル安も相場を下支えしたと伝えられています。もっとも、年初来の急伸で4,000ドル台後半から4,100ドル台には利食い・戻り売りも控えており、今後は米インフレ指標やFOMCのスタンス次第で波乱含みの展開になるとの指摘も多く、市場では高値警戒感と強気見通しがせめぎ合う状況です。

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