国内公表(買取価格1gあたり)
金 21,516円 (-97)
プラチナ 8,912円 (+134)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 3,972.60ドル (-97.90)
NYプラチナ ドル 1,656.40ドル (-44.40)

10/9、ニューヨーク市場の金は5日ぶり反落。始値4,061.80ドル、高値4,077.90ドル、安値3,957.90ドル、終値3,972.60ドル、前日比-97.90(-2.41%)。イスラエルとハマスは9日、長期化するガザ紛争の終結に向けた「第1段階」の和平合意に達した。報道によると、この合意には停戦、人質解放、イスラエル軍の段階的撤退、パレスチナ人囚人の釈放、そしてガザ地区の暫定統治体制の設置などが盛り込まれている。イスラエル側は閣議で合意の枠組みを承認し、発効に向けた準備を開始したとされる。合意成立後、24時間以内にイスラエル軍がガザ中心部から後退し、72時間以内にハマスが人質を解放する見通しという。一方で、ハマスの武装解除やガザ統治をめぐる具体的な取り決めは依然として不透明であり、完全な和平への道のりは険しい。イスラエル国内では極右勢力などから囚人釈放に反対する声が上がっており、政権内の分裂が懸念される。また、国際社会は停戦の実行と監視体制の確立を重視しており、米国やエジプト、カタールなどが仲介役として関与を続ける見通し。今回の合意は戦闘停止と人質救出を実現する重要な一歩と評価されるが、恒久的な和平やガザ再建に向けてはさらなる交渉が必要とみられている。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、9日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)とのインタビューで、年内に追加の利下げを実施することを支持する考えを示した。ウィリアムズ総裁は、米労働市場の減速リスクを重視しており、「雇用の鈍化が進行している兆候がみられる」と指摘。一方で、「現在の動きが景気後退(リセッション)を意味するものではない」と述べ、過度な悲観論を戒めた。さらに、経済指標の推移を慎重に見極めながら、政策判断を進めるべきとの立場を明確にした。インフレ率については「2%目標を大きく上回る状態が再び続くようであれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の信認に深刻な打撃を与える」と警戒感を示し、物価安定の維持と労働市場の安定との両立を強調した。また、トランプ大統領によるFRBへの政治的圧力を念頭に、中央銀行の独立性を堅持する必要性にも言及した。政府機関閉鎖などによる統計データの遅れが政策判断を妨げてはならないとも指摘し、「経済実態を的確に把握し、中立金利水準に向けた適切な政策運営を続ける」と述べた。総裁は、米経済は依然として拡大を維持しており、現段階でリセッション入りの可能性は低いとの認識を示している。ニューヨーク・債券市場では米国債が売られ米長期金利が4.13%台まで上昇し、利息や配当を生まない資産である金の重荷となった。外国為替市場でユーロは対ドルで下落。フランスの政治不安を背景にドル買い優勢となり、ドル建てで売買される金は割高感が高まった。本日の海外金相場は、1トロイオンスあたり4000ドル超の高値圏で推移した。年初来で50%超の上昇となり、安全資産としての需要が強まっている。一方、イスラエルとハマスによる停戦・人質交換の第一段階合意が報じられ、中東の地政学リスクがやや緩和されるとの見方から、一部で利食い売りやドル買いが出たことで、金価格には一時的な下押し圧力がかかった。とはいえ、和平は限定的であり、世界的な金融不安や中央銀行の買い増し、FRBの利下げ観測など、金を支える要因は依然として残っている。市場では短期的に調整を挟みつつも、4200ドル台への上値試しの可能性も意識される。円建てでは1トロイオンス=約53万9000円前後と高値を維持しており、地政学リスクの部分的緩和が相場の強気トレンドを大きく変えるまでには至っていない状況である。