国内公表(買取価格1gあたり)
金 21,613円 (+172)
プラチナ 8,883円 (+105)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,070.50ドル (+66.10)
NYプラチナ ドル 1,700.80ドル (+51.00)

10/8、ニューヨーク市場の金は4日続伸で最高値更新。始値4,007.10ドル、高値4,081.00ドル、安値4,005.60ドル、終値4,070.50ドル、前日比+66.10(+1.65%)。米抵当銀行協会(MBA)が発表した10月3日終了週の住宅ローン申請指数は、前週比で全体が減少し、住宅ローン需要の鈍化が示された。総合指数は前週比▲4.7%と2週ぶりのマイナスとなり、金利低下にもかかわらず申請件数が減少した。内訳では、住宅購入目的の申請を示す購入指数が▲1.2%減、借り換え需要を示すリファイナンス指数は▲7.7%減と、ともに落ち込んだ。一方、30年固定金利ローンの平均契約金利は6.46%から6.43%へわずかに低下し、金利環境は緩和方向にあったものの、依然として高水準にとどまっている。これにより、多くの借り換え需要がすでに一巡し、金利低下の恩恵を受ける余地が限られていることが示唆される。また、住宅価格の高止まりや所得の伸び悩みが重なり、購入需要も慎重姿勢が強まっているとみられる。MBAは、住宅市場が依然として高金利と供給制約の影響を受け、回復のペースは緩慢にとどまるとの見方を示している。今回の結果は、住宅ローン金利の小幅な変動だけでは需要を喚起しにくい現状を浮き彫りにしており、今後の金利政策や住宅価格動向が市場の方向性を左右する重要な要素となりそうだ。一方、米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月16~17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、委員会は政策金利を4.00~4.25%に引き下げ、2025年で初の利下げを実施した。多くの参加者は今後も段階的な追加利下げが適切とみる一方、インフレの根強さを警戒し慎重姿勢を示す意見もあった。ステファン・ミラン理事は0.50%の利下げを主張し、唯一の反対票を投じた。議事録では労働市場の軟化や経済減速を懸念する見方が示され、金融市場では利下げ期待を背景に債券利回りが低下したと指摘。インフレ期待はおおむね安定しているものの、物価上振れリスクが依然残るとの認識が共有された。政策当局は景気減速と物価抑制の両立を慎重に模索する姿勢を鮮明にした。ニューヨーク・債券市場では米長期金利がほぼ横ばいで推移した。外国為替市場でユーロは対ドルで下落し、ドル建てで売買される金は割高感が高まった。海外金相場は、安全資産としての需要が強まり上昇した。世界的な景気減速懸念や米国の財政不安、地政学リスクを背景に、投資家がリスク回避姿勢を強めたことが上昇要因となった。また、FRBの利下げ観測が根強く、金利低下を見込む動きが金の保有コストを相対的に下げたことも支援材料となった。一方、急騰後の利益確定売りやドル反発局面では上値が重くなる可能性も指摘されている。市場では、今後も地政学的リスクや金融政策の行方が金相場を左右するとの見方が広がっている。