金相場リアルタイムチャート
海外市況ニュース:10月18日(土)
10/17、ニューヨーク市場の金は6日ぶり反落。始値4,348.10ドル、高値4,392.00ドル、安値4,196.00ドル、終値4,213.30ドル、前日比-91.30(-2.12%)。トランプ大統領は17日、米FOXニュースの取材で、中国との貿易交渉について「中国とうまくやっていけると思う。公平な合意が必要だ」と述べ、強硬一辺倒の姿勢をやや和らげた。また、「中国からの輸入品に100%の追加関税を課すという提案は持続可能ではない」と語り、関税政策を再考する可能性を示唆した。さらに、習近平国家主席との会談を予定通り実施すると明言し、対話継続の意思を強調した。こうした発言を受け、市場では米中対立の激化懸念が後退し、投資家心理が改善した。株式市場は反発し、ドル相場も落ち着きを見せた。一方、ベッセント米財務長官も同日、「中国の何立峰副首相と近く電話会談を行う予定」と明らかにし、「状況は沈静化している。トランプ大統領が事態を良い方向へ導いてくれると確信している」と述べた。さらに、11月1日に予定されていた新たな関税発動を見送る可能性を示唆し、緊張緩和への期待を高めた。これらの発言は、両国の通商対話が依然として機能していることを示し、強硬策からの一時的な後退と受け止められている。ただし、関税政策の撤回や包括的な合意には至っておらず、根本的な対立構造は残存している。市場では「対話維持を示した象徴的な発言」との見方が多く、実際の政策行動が今後の焦点となる。17日の米市場では、地域銀行(地銀)各社の堅調な決算が相次ぎ、これを受けて金融セクター全体の信用不安が一時的に和らいだ。Fifth Third Bancorpは第3四半期決算で手数料収入の増加を背景に純利益が前年比14%増となり、PNCフィナンシャルも利息収入と手数料収益が堅調に推移した。多くの地銀で貸倒引当金が前期比で抑制され、資本比率の改善も確認されたことから、市場では「業績が想定よりも堅調」との安心感が広がり、銀行株の一部で買い戻しが見られた。2023年の地銀破綻以降、各行が資本増強やリスク管理を強化してきたことも、投資家心理の支えとなった。一方で、ザイオンズ・バンコーポレーションやウエスタン・アライアンスが融資関連の不正行為を巡り損失を開示したとの報道があり、セクター全体の健全性に疑念が残る。これらの事例が「隠れた信用リスク」への警戒を再燃させ、安心感を相殺した面もある。加えて、景気減速や高金利環境の長期化が融資先の返済能力を圧迫するとの懸念も根強い。総じて、堅調な決算が部分的に信用不安を緩和したことは確かだが、マクロ環境や不正問題を背景に、信用不安の完全な払拭には至っていない。市場は依然として「限定的な安心感」にとどまる状況とみられる。ニューヨーク・債券市場では米国債が売られ米長期金利が4.01%台まで上昇し、利息や配当を生まない資産である金の重荷となった。外国為替市場でユーロは対ドルで下落。金利差の拡大も意識されドル買い優勢となり、ドル建てで売買される金は割高感が高まった。海外金相場は、トランプ大統領が「中国への関税100%課税は持続不可能」などと発言したことにより、貿易摩擦の激化懸念が和らぎ、金の急騰後に一時調整が入りました。しかしながら、現在の金価格上昇を支えているのは主に「利下げ期待」「地政学リスク」「安全資産需要」などの要因で、貿易緊張の緩和はむしろ一時の抑制要因として作用する場面もあると見るのが妥当です。一方、短期的な過熱感も指摘されており、テクニカル面では一時的な調整の可能性も意識されています。
金とプラチナの関係
金相場よりもプラチナ相場が高いという状態が続いていましたが、現在ではプラチナ相場よりも金相場の方が高いという逆転状態となっています。金相場が上がるとプラチナ相場が下がるという訳ではなく、金とプラチナそれぞれに変動要因があります。金は個人買い、中央銀行の保有、宝飾品(半数以上)としての需要。プラチナは宝飾品の他に工業用としての需要が半数以上を占めています。金の弱材料はドル高(利上げムードの高まり)、インド(農作物価格低迷)による金買い消費の低迷。強材料は中国(経済減速懸念)、ロシア(原油下落、経済不振)による金買い消費の増加。プラチナの弱材料はドル高、米利上げによる世界経済の弱含み懸念、中国需要減少懸念、鉱山会社ロンミン(世界生産大3位)の事業閉鎖回避、フォルクスワーゲン問題。強材料はジンバブエ(世界生産第3位)の電力供給制限からの供給減少懸念。これらを比べてみると共通している部分もありますが、プラチナの方が弱材料が多いことが分かります。
金とドルと原油の関係
世界の基礎通貨はドルであり、世界経済もまたドルに依存しています。ドル安になればドルの資産価値は減り、その他の通貨や資産に投資することになりますが、その選択肢の一つとして金があります。金もドル建てで取引されている為、ドル安になれば金高になり、ドル高になれば金安になるという構図が一般的な解釈です。米国経済の動向も金とドルに大きな影響を与えます。米国経済指標である金利動向、消費者物価指数、鉱工業生産、失業率などの数値が好調なら、金が売られてドルが買われ、逆ならドルが売られて金が買われることになります。原油においては、ドル安=原油高、ドル高=原油安という構図になり、有事の際には金と原油が上昇すると言われています。しかし、最近ではこの構図に当てはまらないケースも多いです。
金などの主要貴金属について
- 金
ゴールド
Au - 主に宝飾品としてK18(750/1000)の品位が使われています。イエローゴールド(YG)とホワイトゴールド(WG)は定番の貴金属です。パラジウムやニッケルなどの割り金で色を変えることができ、イエロー、ホワイト、ピンク、ローズ、グリーンとバリエーションも豊富です。
- 白金
プラチナ
Pt - 日本では通称白金(はっきん)ですが、プラチナと呼ぶのが一般的です。欧米のブライダルジュエリーで人気なのは金ですが、日本ではプラチナの方が人気が高い。純プラチナは軟らかいので、パラジウムなどの割り金で品位の調整をしています。
- 銀
シルバー
Ag - シルバーはカジュアルに好まれている貴金属。硫化により黒く変色してしまうのが難点ですが、磨き直しもできます。宝飾品は925の品位が多い。925の中でも銅のみを混ぜた合金であるスターリングシルバーは時効硬化に優れています。
- パラジウム
Pd - 白金族に属する白色金属。貴金属として宝飾品にも使われており、プラチナ850~950やホワイトゴールドの割り金として利用されています。造幣局の貴金属品位証明制度において、金、プラチナ、銀の品位検定は行われていますが、パラジウムの品位検定は行っていません。
金について
金は装飾品として利用された最古の金属で、古くから貴金属の価値を認められてきました。また銀や銅と共に貨幣用金属の一つであり、貨幣や金貨としても流通しました。その利用価値の高さゆえ豊かさと富の象徴であり、金その物の所有や鉱山の所有、採掘の権利などが個人から国家の規模でしばしば争奪や係争の要因にもなりました。現在では技術の発達と共に歯科、エレクトロニクスなど様々な分野で利用されています。
金貨について
世界には様々な種類の金貨が存在します。金貨には大きく分けて通貨型金貨、地金型金貨、収集型金貨などがあります。金貨をアクセサリー類に利用したり、収集しているコレクターなども存在します。金貨の中でも最も信頼の高い、カナダの国旗にも描かれているカエデの葉が印象的な「メイプルリーフ金貨」はとても有名ですね。メイプルリーフ金貨は純度99.99%で、カナダ中央政府が保証する通貨。国際的な信頼もあり、すぐに現金化できると田中貴金属も太鼓判を押しています。
金の刻印について
金などの貴金属に刻印される品位は、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準規格)により純度を千分率で表すことになっています。ですが、金については24分率いわゆるカラットで表す習慣が残っています。これは金特有の表示方法です。また、日本では999.9%以上なければ純金(K24 or 1000/1000)の表示は出来ません。
金の比重について
金の比重は比重計という機材で調べることができます。比重計とは、どんな物質にもある比重値というものを測る機材です。比重値が分かることで、金、プラチナ、銀などの様々な貴金属の判別ができます。比重計は買取の際にも使われており、貴金属の品位判別において参考程度に利用されるようです。また、金などの貴金属買取を専門的に行っているお店なら比重計は必ず置いてあります。
金の買取店の選び方について
まずは色々なお店の買取価格を比べてみましょう。インターネットで検索すればたくさんお店が出てきますので、売りたい品位(K18など)1gあたりの買取価格が高いお店をリストアップしておきましょう。おすすめは大手貴金属チェーンの店舗、有名な買取チェーンの店舗です。
金の買取手数料について
高額な手数料を引く貴金属買取業者が存在しています。手数料はなぜ引かれるのか?。自社で工場を持っているお店は買取した貴金属の精錬を行います。精錬の技術にもよりますが、基本的な目減りは1~2%前後と言われています。そういったお店がある程度の手数料を引くというのは納得がいきます。