刻印について

刻印の種類

刻印について

 金などの貴金属に刻印される品位は、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準規格)により純度を千分率で表すことになっています。ですが、金については24分率いわゆるカラットで表す習慣が残っています。これは金特有の表示方法です。また、日本では999.9%以上なければ純金(K24 or 1000/1000)の表示は出来ません。

 金を24分率で品位を表すと、K24(99.9%)、K22(91.7%)、K21.6(90.0%)、K20(83.5%)、K18(75.0%)、K14(58.5%)、K12(50.0%)、K10(41.7%)、K9(37.5%)となります。

 金を千分率で品位を表すと、1000/1000(99.9%)、917/1000(91.7%)、900/1000(90.0%)、835/1000(83.5%)、750/1000(75.0%)、585/1000(50.0%)、500/1000(50.0%)、417/1000(41.7%)、375/1000(37.5%)となります。

 ※()内の数値は金の含有率になります。

 金などの貴金属製品の製造業者、又は販売業者からの依頼に応じて、品位試験に合格したものに打刻される刻印を通称「ホール・マーク」といいます。このホールマークが品位の証明記号となり、一番信頼できる刻印と言っていいでしょう。ホールマークが無いからといって、その品位以下いう訳ではありませんのでご安心下さい。製品のなかには刻印されていない物もあります。

 ホールマークは各国の制度により異なります。たとえばイギリスでは、製品に製造番号・品位・検定地・製造年号などが刻印されます。フランスでは鷲(ゴールド)・犬(プラチナ)・女神ミネルヴァ(銀)をモチーフにしたマークが刻印されます。

大蔵省造幣局の刻印について

 金などの貴金属の造幣局の品位証明は、下記の画像にある証明記号で表示されています。指輪やネックレスなど貴金属で作られた製品は、装飾品としての価値もさることながら、製品の材料として用いられる貴金属の価値にも大きな意味を持っています。

 貴金属の純度(品位)は目で見て簡単に判別できるものではありません。造幣局はこれら貴金属製品の製造、又は販売業者からの依頼があった場合、及び造幣局自らの製品に対してその貴金属の品位試験を行い、合格したものに証明記号を刻印し、製品の品位証明を行っています。以上のことから、造幣局のホールマークがあれば、非常に安心できることが分かります。

大蔵省造幣局の証明記号の刻印一覧

ホールマークがあれば100%本物なのか

刻印があれば100%本物か

 造幣局のホールマークがあれば100%本物なのでしょうか。個人的な見解になりますが、造幣局の刻印に似せて偽物を作るメリットはとても少ないと思います。数グラムしかないジュエリーにそこまで手間を掛けてもハイリスクローリターンですし、偽物であればK18や750と刻印した方が容易です。また、ローリスクハイリターンで本物の貴金属や宝石を使い、原価の10倍~30倍で販売していることも珍しいことではありません(100万円で宝石の付いた指輪を買ったとして、売る時は数万円になってしまうのはよくある話です)。筆者自身も見たことはありませんし、知人の業者に聞いても逆に珍しいと言っています。造幣局のホールマークがあれば、まず「本物」だと思っていいですが、購入の際は十分に気を付けましょう。

シナ金と呼ばれる中国製品について

シナ金のリング

 中国などで販売されている金製品はシナ金と呼ばれています。本物の純金と色味を比べると、かなり黄色が強いので違和感があります。シナ金と呼ばれる製品は965と刻印されている物が多いです。販売時の品位は純金扱いのようですが、実際には不純物が多く含まれているのでK22~K23ほどの純度しかなく、買取でもK22~K23扱いです。お店によってはそれ以下の品位になる場合もあるので、納得ができない時は分析装置などの設備が充実している大手貴金属買取店に相談してみましょう。中国以外でも海外製品は販売時の品位より低くなるケースがありますので、購入の際には十分に注意が必要です。

刻印が無い製品について

シナ金のリング

 刻印が無い金などの貴金属製品は、比重計という機材でおおよその品位を調べることができます。売却したいけど品位が分からない場合は、貴金属買取店で調べてもらいましょう。大手であればX線検査機も導入しているので、比重計よりも正確な品位が分かると思います。

→比重計についてはこちら

金の刻印について

千分率 含有率
K24 1000/1000 100%
K22 917/1000 91.7%
K21.6 900/1000 90%
K20 835/1000 83.5%
K18(WG) 750/1000 75%
K14(WG) 585/1000 58.5%
K12 500/1000 50%
K10(WG) 417/1000 41.7%
K9(WG) 375/1000 37.5%

※PWG9というジュエリーマキのオリジナル刻印もあります。品位はK9です。

海外金製品の刻印

海外製品 説明
KP Kはカラット、Pは「完全、ピッタリ」という意味。
KT カラットという意味です。18KT、14KTなど。
万足金 中国製品の金刻印。品位はK24。
千足金 中国製品の金刻印。品位はK22。
足金 中国製品の金刻印。品位はK20。

金メッキの刻印

メッキ 説明
GP GOLD PLATED
金メッキ
GEP GOLD ELECTRO PLATED
電気メッキ
GF GOLD FILLED
金張り
GR GOLD ROLLED
金張り
HGE HARD GOLD ELECTROPLATED
金メッキ
RGP ROLLED GOLD PLATE
金張り

プラチナの刻印について

プラチナ 千分率 含有率
Pt1000 1000/1000 100%
Pt950 950/1000 95%
Pt900 900/1000 90%
Pt850 850/1000 85%
Pm 700~900/1000 70~90%

※Pmは古いプラチナ製品に見られる刻印です。品位は700~900と幅があるようですが、実際にはPt850の品位が多いようです。

※純白金、正白金という中国製品に見られるプラチナ刻印もあります。基本的な品位はPt1000扱いのようですが、それ以下の品位になる製品もあります。

※Pt100というプラチナ製品もあります。プラチナの純度は僅か10%と低く、他の割り金はシルバーなどで構成されていることが多いようです。

銀の刻印について

千分率 含有率
SV1000 1000/1000 100%
SV950 950/1000 95%
SV925 925/1000 92.5%
SV900 900/1000 90%
SV800 800/1000 80%

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