2/10、ニューヨーク市場の金相場は7カ月半ぶりの高値を下回る水準で堅調に推移した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長がこの日、金融政策の調整は「緩やかな」ペースにとどまり、世界経済への逆風が米国経済成長に打撃を及ぼす可能性があると言及したことが材料視された。イエレン議長は下院の公聴会で、金融引き締め状況と中国をめぐる不透明感が米国経済にリスクをもたらしていると指摘。ただ、FRBが金利引き締めサイクルから逆戻りする必要性に関し、その可能性は低いとの見解を示した。利上げペースの鈍化は、金の保有機会コストを抑えるため、金相場の支援材料になる。アクティブトレーダーのチーフアナリスト、カルロ・アルベルトデカサ氏は「イエレン議長が緩やかな利上げペースに言及したことで、金は短期的に上昇傾向をたどるだろう」と語った。金現物は米東部時間午後3時01分(2001GMT)時点で1オンス当たり0.4%高の1192.96ドルと、8日に付けた約7カ月半ぶりの高値1200.60ドルからさほど離れていない水準で取引された。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の金先物4月きりの清算値は0.3%安の1194.60ドル。ABNアムロのシニアエコノミスト、マリツァ・カベザス氏は「米利上げが6月までに行われるとは予想していない。利上げのハードルが高くなったことを、金融情勢は示唆している」との見方を示した。INTL FCSストーンのアナリスト、エドワード・メア氏によれば、金相場は世界的な株式市場の動揺、ドル安、テクニカルで見た金相場の強気、金投資の増加を背景に、上昇が継続する公算が大きいという。またUSバンク・ウェルス(シアトル)のシニアインベストメントストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「イエレン議長は3月の利上げはないと示唆する一方、経済指標は十分に改善し、今年の利上げ回数はゼロではないことも示唆した」と話した。市場関係者によると、金相場の上昇により、現物需要が鈍化したという。最大消費国の中国は春節で取引は行われていない。東京貴金属の金相場は総じて続落。中心限月12月先ぎりが前日比8円安の4354円、ほかは6~14円安で取引を終えた。日中立ち会いは、9日のニューヨーク金先物相場が世界景気の先行き懸念を背景に続伸したことから、強気買いが先行して始まった。しかし、寄り後は、NY金の軟化や円相場の引き締まりを眺めた買方の手じまいが優勢となり、全般がマイナス圏に沈んだ。東京ゴールドスポット100は、14円安の4377円。銀は10銭高の8月きりを除き、10銭~70銭安。2月当ぎりは取引が成立しなかった。白金は反発。高寄り後は、NY白金の下げや円高に値を削り、12月先ぎりが6円高の3414円で大引けた。ほかは3~15円高。パラジウムは16円安~4円高と小幅まちまち。2月当ぎりと期中8月きりは出合いがなかった。