- 国内公表(買取価格1gあたり)
- 金 22,260円 (+125)
- プラチナ 8,751円 (-123)
- NY市場(終値ドル/トロイオンス)
- NY金 4,163.40ドル (+30.40)
- NYプラチナ ドル 1,676.50ドル (-15.30)
10/14、ニューヨーク市場の金は3日続伸で最高値更新。始値4,130.90ドル、高値4,190.90ドル、安値4,105.00ドル、終値4,163.40ドル、前日比+30.40(+0.74%)。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次総会で講演し、今後の金融政策について「データとリスク評価に基づき判断する」と強調した。議長は、米経済が依然として底堅い一方、労働市場に下振れリスクが高まっていると指摘。求人件数の減少が失業率上昇につながる可能性を懸念し、9月の利下げを正当化する要因になったと説明した。また、「リスクフリーな道筋は存在しない」と述べ、利下げを急げばインフレ再燃の恐れがある一方、引き締め過多も景気を冷やすリスクがあるとの認識を示した。さらに、バランスシート縮小(QT)について「今後数か月以内に停止に近づく可能性がある」と言及し、市場では追加緩和への期待が広がった。関税政策が物価上昇圧力となり得る点にも触れ、インフレの不確実性を警戒した。政府機関閉鎖による経済指標の遅延が政策判断を難しくしているとも述べた。講演後、米長期金利は低下し、株式市場ではリスク選好が回復。エコノミストの間では「10月の追加利下げが既定路線」との見方が強まる一方、議長が慎重姿勢を維持した点から「過度な緩和期待は禁物」との声もある。全体として、FRBが利下げ継続の構えを保ちながらも、インフレ再燃を警戒するバランス重視の姿勢を鮮明にした講演と受け止められている。一方、フランスのルコルニュ首相は14日、国民議会で行った演説で、マクロン政権下で進められてきた年金改革を「社会的対立を深める要因となっている」として、当面凍結する方針を表明した。ルコルニュ氏は、労働組合や国民の反発を踏まえ「国民的合意なしに制度を動かすことは避けるべきだ」と強調。今後は広範な協議を経て、新たな社会保障制度の方向性を検討する考えを示した。これにより、昨年成立した定年年齢引き上げ(62歳→64歳)の適用見直しも議論の対象となる見通しである。市場では、財政健全化の後退懸念から国債利回りがやや上昇する一方、労働争議の沈静化期待が株式市場を下支えする要因ともなった。政治的には、左派や労組からは「遅すぎる譲歩」との声が上がる一方、中道層からは対話重視への転換を評価する意見もあり、ルコルニュ政権の求心力回復に一定の効果をもたらす可能性がある。ニューヨーク・債券市場では米国債が買われ米長期金利が4.03%台まで低下し、利息や配当を生まない資産である金の強みとなった。外国為替市場でユーロは対ドルで上昇。ルコルニュ政権の年金改革凍結を背景にドル売り優勢となり、ドル建てで売買される金は割安感が高まった。海外金相場は上昇基調を維持し、NY金先物価格(12月限)は1トロイオンス=4,150ドル台で推移した。前日比では約+0.7%の上昇となり、4,100ドルを下値支持線として堅調な展開が続いた。FRBの早期利下げ観測が根強く、実質金利低下への期待が買いを誘ったほか、米中貿易協議の不透明感や中東情勢への懸念が安全資産としての金需要を押し上げた。一方で、短期的な利益確定売りやテクニカル面での過熱感も意識され、上値では調整圧力も見られる。市場では「当面は4,100ドルを下値に底堅く推移する」との見方が多く、インフレ懸念や地政学リスクの高まりを背景に、金相場の基調は依然として強いと評価されている。