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金は反発。中国がレアアースおよび関連技術の輸出管理を強化。米中貿易摩擦再燃への懸念が浮上。

国内公表(買取価格1gあたり)
金 21,516円 (休場)
プラチナ 8,912円 (休場)
NY市場(終値ドル/トロイオンス)
NY金 4,000.40ドル (+27.80)
NYプラチナ ドル 1,623.00ドル (-33.40)

10/10、ニューヨーク市場の金は反発。始値3,990.10ドル、高値4,038.60ドル、安値3,961.20ドル、終値4,000.40ドル、前日比+27.80(+0.70%)。米ミシガン大学が発表した10月の消費者信頼感指数(速報値)は、前月の55.1からわずかに低下し55.0となった。小幅な変動にとどまり、消費者心理は概ね横ばい圏で推移した。市場ではインフレや労働市場の不安定化により指数が一段と悪化するとの見方もあったが、結果としては底堅さを示す内容となった。1年先のインフレ期待率は前月の4.8%から4.6%へとやや低下し、5年先期待は3.7%で横ばい。インフレ懸念の高まりに一定の落ち着きが見られる点はポジティブに評価される。一方で、指数水準は依然として長期平均を下回っており、消費者心理が拡張的局面に転じるまでには至っていない。消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は、10月の消費者信頼感指数(速報値)が前月比でほぼ横ばいとなったことについて、「消費者の経済見通しは先月からほとんど変化していない」と述べた。シュー氏によると、家計が直面する課題として依然「高価格(インフレ)」と「労働市場の不安定さ」が心理面の重しになっており、これらが購買意欲を抑制する要因になっているという。また、米連邦政府の一時閉鎖に関しては「現時点で消費者心理への大きな影響は見られない」と指摘し、消費者はこうした政治的不確実性をすでに織り込んでいるとの見方を示した。さらに、今後の物価や雇用環境について「目立った改善を予期していない」とし、楽観よりも慎重姿勢が強いことを示唆した。総じて10月の結果は、「悪化は止まったが回復には至らず」という状況を示唆する内容となった。米国経済が高金利環境下で調整局面にある中、消費者心理の安定維持は重要な支えとなるが、賃金動向やインフレ率の改善が伴わなければ、今後の信頼感回復には時間を要する見通しである。一方、中国商務省は9日、レアアースおよび関連技術の輸出管理を強化すると発表したことで、米中貿易摩擦再燃への懸念が広がった。対象には採掘・精製・磁石製造などが含まれ、防衛・半導体分野向け製品への輸出は原則禁止または個別審査とされる。これを受け、米国のトランプ大統領は中国への追加関税を示唆し、対立が再び激化する可能性が指摘された。レアアースはEVモーターや電子機器など先端産業に不可欠な素材で、中国が世界供給の大半を握るため、供給制約は世界的なサプライチェーン不安を招く。市場ではリスク回避の動きが強まり、米株や香港市場が下落。日本を含むアジア各国でも代替調達やリサイクル強化など、中国依存を減らす動きが加速するとみられる。ニューヨーク・債券市場では米国債が買われ米長期金利が4.05%台まで低下し、利息や配当を生まない資産である金の強みとなった。外国為替市場でユーロは対ドルで上昇。米中貿易摩擦再燃への懸念を受けてドル売り優勢となり、ドル建てで売買される金は割安感が高まった。今週の海外金相場は、8週連続の上昇を維持し、歴史的高値圏での推移が続いた。週初は米ドルの軟調や米長期金利の低下を背景に買いが優勢となり、1トロイオンス=4000ドル台を上回る場面も見られた。中東情勢の緊張や米政府運営を巡る不透明感など、安全資産としての需要が引き続き金価格を下支えした。一方で、高値圏での利益確定売りや過熱感への警戒も強まり、週後半には上値の重さが意識された。各国中央銀行による金の買い増し観測や、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待が相場の底堅さを支えており、年内も強含み基調を維持するとの見方が多い。ただし、今後は4000ドル超の水準が心理的節目となり、金利動向やドル相場次第では短期的な調整局面も想定される。全体としては、実需と安全資産需要の双方が支える堅調な相場展開が続いている。

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