金について

金とは?

金について

 金は装飾品として利用された最古の金属で、古くから貴金属の価値を認められてきました。また銀や銅と共に貨幣用金属の一つであり、貨幣や金貨としても利用されて流通しました。その利用価値の高さゆえ豊かさと富の象徴であり、金その物の所有や鉱山の所有、採掘の権利などが個人から国家の規模でしばしば争奪や係争の要因にもなりました。現在では技術の発達と共に歯科、エレクトロニクスなど様々な分野で利用されています。

 金は今後も人類にとって必要不可欠な金属であることは間違いありません。

金の歴史について

金の歴史について

 金は装飾品として初めて利用された金属と言われています(紀元前3000年代に使われ始めたようです)。そして歴史で金は最も価値のある金属として扱われてきました。金と言えば古代エジプトのツタンカーメンや装飾品があまりにも有名です。

 古代エジプトのヒエログリフでは、紀元前2600年頃から金についての記述が見られます。ミタンニの王トゥシュラッタが、通常は粒として請求をしていたそうです。エジプトとヌビアは、史上でも有数の金産出地域でもあります。

 コロンブスなどの探検家によって行われたアメリカ原住民からの金の強奪は膨大な量に上りました(特に中央アメリカ、ペルー、コロンビアを原産とする物が多かった)。それらは金と銅の合金で作られており、スペイン人たちはTumbagaと呼んでいました。

 金の産出は比較的簡単で、1910年から現在(2008年?)までに地球上の70%ほどの金が産出されていると考えられています。

金の性質について

金の性質ついて

 金は最も薄くのばすことができる金属です。1グラムあれば数平方メートルまでのばすことが可能で、長さでは3000メートルまで伸ばすことができます。平面上にのばしたものは金箔(金箔)として、糸状にのばしたものは金糸(きんし)として利用されます。

 金糸は綿や絹など一般的な繊維素材と併用されています。装飾品等に利用される場合、純金のままでは柔らかく、強度に問題がある為、他の金属と混ぜて合金として利用されます。また金は他の金属と混ぜて合金にすることが容易です。これにより変化に富んだ色の金属を作ることが可能です。

金の用途について

金の用途ついて

 金は非常に軟らかい金属です。通常は銅や銀などの金属と鍛錬されて利用されます。金との合金は、その見栄えの良さを利用して指輪などの装飾品として、また美術工芸品や、宗教用具等の材料として利用されてきました。さらに貨幣、または貨幣を代替する品物として用いられます。

 また耐食性・導電性・低い電気抵抗などの優れた特性を活かし、20世紀以降は工業用の金属として様々な分野で使用されています。その他にも金箔や金粉といった食用としての利用、投資対象としての利用、資産価値として不動の地位を築いています。

金の純度について

金の純度ついて

 金の品位はJIS(日本工業規格)やISO(国際標準規格)により千分率で表すことになっていますが、24分率いわゆるカラットで表す習慣が残っています。これは金特有の表示方法です。また日本では999.9%以上なければ、K24(1000/1000)の表示は出来ません。

 24分率で品位を表すと、K24(99.9%)、K22(91.7%)、K21.6(90.0%)、K20(83.5%)、K18(75.0%)、K14(58.5%)、K12(50.0%)、K10(41.7%)、K9(37.5%)となります。

 千分率で品位を表すと、1000/1000(99.9%)、917/1000(91.7%)、900/1000(90.0%)、835/1000(83.5%)、750/1000(75.0%)、585/1000(50.0%)、500/1000(50.0%)、417/1000(41.7%)、375/1000(37.5%)となります。

 ※()内の数値は金の含有率になります。

 純金はK24(1000/1000)、金の含有率によって数値を下げていきます。例えば金の含有率が75%なら、24分率ではK18、千分率では750となります。なぜ品位を下げるのかというと、純金はそのままでは柔らかいので、用途によって割り金で硬さや色を調整するためです。

 金の品位と色は銀、銅、パラジウム、ニッケル、亜鉛などの割り金で調整をします。よく見るホワイトゴールドの割り金はパラジウムとニッケルで、WGと表記されます。新素材を開発するために、チタン、タングステン、アルミニウムなどの金属も用いられ、研究は日々続けられています。

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